「治らない病気の人には、もう何もできないと思ってた」

はじめに

はじめまして。

看護師として10年ほど働き、今は緩和ケア病棟に勤めているsakuraです。
このブログでは、大切な家族の病気や最期に初めて向き合う方に向けて、緩和ケア看護師の目線から、少しでもお力になれるような情報や想いをお届けしたいと思っています。

「治らない病気の人には、もう何もできないと思ってた」

ブログを始めようと思ったきっかけは、夫のひと言でした。
「sakuraと出会うまで、緩和ケアっていう場所があることすら知らなかった。治らない病気の人には、もう何もできないと思ってたし、あとはそのまま最期を迎えるだけなんだと思ってた。sakuraのいる職場は元気に退院していく!っていうことはないんだもんね?」
夫はこれまで、身近な人を亡くした経験がありません。そのため、緩和ケアについての知識もまったくない状態でした。
夫の言葉を聞いて、「もしかしたら、ほとんどの人がそう思っているのかもしれない」ということに気づきました。大切な人との別れは、いつか誰にでも訪れます。だからこそ、その時が来る前にもっといろんな人に知ってほしいと思ったんです。

知らないのは、当たり前

考えてみれば、医療職でなければ、普段の生活で死について考えることはほとんどありません。知らないのは当たり前で、ただ身近で経験する機会がなかっただけなんです。

ただ、知らないからこそ、「がんになったら、最期は痛みで苦しむもの」という思い込みや、緩和ケアへの誤解が今も強く残っているように感じます。

たとえば、

– 緩和ケア病棟に入院したら、もう最期
– 何も治療してくれない場所
– 麻薬を使ったら終わり
– 家には帰れない

こんなイメージを持っている方は、きっと少なくありません。

本当の緩和ケアって?

実は、こうしたイメージは「そうとは限らない」んです。

緩和ケアは、痛みや苦しさをやわらげて、その人らしく過ごせるように支えるケアです。痛みをやわらげるために使う医療用麻薬も、「最期が近いから使う」ものではなく、その人が少しでも楽に過ごすためのものです。

以前、自宅で強い痛みがあり、夜も眠れない日が続いていた患者さんがいました。ご家族もそばで心配して眠れず、お互いに心も体も限界に近い状態でした。入院して痛みの調整を始めると、数日で夜ぐっすり眠れるようになり、ご家族もほっとした表情を見せてくれました。

ほかにも、入院して安心できたことで、久しぶりに食欲がわき、ご飯をもりもり食べられるようになった方もいます。

病棟には、痛みのコントロールのためだけに入院して、落ち着いたらまた家に帰る方もいます。

家族の協力やサポートがあれば、自宅で過ごすことも選べます。入院が「終わり」ではなく、過ごし方を選ぶための一つの場所なんです。

このブログで届けたいこと

いつか大切な家族の病気や死に向き合うとき、「何をしたらいいかわからない」「こんなこと聞いていいのかな」と迷う方はとても多いです。

このブログでは、緩和ケア病棟の看護師として、

– 緩和ケアってどういうもの?
– 大切な人が、これからどうなっていくのか
– 家族としてできること、してあげられること
– 付き添うあなた自身の気持ちとの向き合い方

そんなことを、できるだけわかりやすく伝えていきたいと思っています。

さいごに

私はまだ緩和ケアの仕事を始めて3年ほどです。まだまだ学びの途中で、わからないことや迷うこともたくさんあります。でも、患者さんやご家族と一緒に悩みながら関わる中で、見てきたこと、感じてきたことを、等身大の言葉で届けていきたいと思います。

「知らなかった」が「知っててよかった」に変わるきっかけになれたら、うれしいです。

これから、どうぞよろしくお願いします。

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